日刊デジタルクリエイターズ » 48 出渕亮一朗 » ■境界線の歩き方[10]石油を栽培する未来/出渕亮一朗
エネルギー問題、頭痛いですね。時期には諸説あるけど、石油は近い将来なくなりそうだし、原発はこんな調子だし......。が、そこに希望の光のように現れたのが、最近新聞やテレビで話題になっている石油を作る藻だ。筑波大の渡邉信教授が40年近い研究で見つけたのが、沖縄の海から発見したオーランチオキトリウムという石油を作る藻である。藻から油を取るバイオエネルギーの研究は、米国エネルギー省が1970代から始めている。しかし、渡邉教授の発見したオーランチオキトリウムは、従来有望とされていた藻の10倍もの化石燃料の重油に相当する、炭化水素を生産するそうだ。
研究チームの試算では、深さ1メートルのプールで培養すれば、面積1ヘクタールあたり年間約1万トン作り出せる。「国内の耕作放棄地などを利用 して生産施設を約2万ヘクタールにすれば、日本の石油輸入量に匹敵する生産量になる」としている。
この面積は現在の日本の農耕地の0.5%だそうだ。また、オーランチオキトリウムは光合成はしないので、地下の貯蔵庫とかでもいいそうだ。
!doctype>